職業訓練を辞めたいときの理由別対処法6選|ペナルティはある?

職業訓練を辞めたいときは、すぐ辞めたらいけません。

辞めたい理由によって対処法があり、辞めるのが必ずしも正解とは限らないからです。

一方で、職業訓練の途中退校には歓迎されるケースもあります。

職員に相談もなく辞めてしまうとペナルティが課せられる可能性もあるので、職業訓練を辞めたいと思って悩んでいる人は、本記事を参考にして自分にとってベストの方法を探してください。

職業訓練を辞めたい理由別の対処法

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職業訓練が辛いから辞めたいといっても、人それぞれ理由は違いますが、大きく分けて次の6つが辞める理由として多いです。

理由によって対処法は変わるため、自分がどうして職業訓練を辞めたいのか明確にしたうえで、対処法を行ってみましょう。

授業に追いつけないなら相談

職業訓練には数多くの訓練コースがありますが、就職に強い資格や技術を得るために、未経験の分野を選択する人もいます。

しかし、0からの学びとなるため、授業内容が難しく感じたり、ついていけないと悩んでしまう人は少なくありません。

周りが授業内容を理解しているように見えると余計に焦ってしまい、早めに辞めて方向転換したほうが良いのではと思ってしまいます。

このような場合は、職業訓練校のスタッフに相談してみましょう。

スタッフはこれまで数多くの職業訓練性を見てきているので、「最初は多くの人が躓くが、続けると理解が進み、就職率も良い」のようなアドバイスが聞けるかもしれません。

自分だけではなく、今の時点ではみんな悩みながら授業を受けていると分かれば、前向きに考えられるのではないでしょうか。

授業内容に不満がある場合はコース変更

職業訓練校の授業の内容は基本的に未経験者を対象に構成されており、前職などで経験がある人にとっては、レベルが低く感じる場合があります。

また、実際に授業を受けてみたら思っていた内容と違った場合に、コースを変更したいと思う人もいるでしょう。

しかし、訓練中にコースの変更はできません。

コースによっては半年から一年ほど通うこともあるため、不満を抱えたまま授業を受け続けるのは時間の無駄に思えてしまい、辞めたほうが良いのではと思ってしまいますが、職業訓練校では授業以外に就職に関するカリキュラムを組んでいます。

面接指導や企業の特色に合わせた就職活動の支援などを行ってもらえるので、希望の職種への再就職の機会を得るために必要な時間と、割り切って考えてみましょう。

以下に参考として、職業訓練で受講できる講座の例をご紹介します。やってみたい業界や分野に強い授業を選択しましょう。

  • 医療事務
  • パソコン実用
  • Web制作
  • 簿記
  • デザイン基礎
  • 造園
  • 介護士

先生と合わない人はスタッフに要相談

職業訓練校では担任やクラスの変更はできません。挨拶をするのも嫌になるほど苦手な先生が担当となった場合、どうしたら良いのでしょうか。

訓練校に通いたくなるなど辛い場合は、職業訓練校のスタッフに相談をしてみましょう。先生に関する悩みをスタッフに話してもいいのか?と迷ってしまうかもしれませんが、悩みをため込むよりも、聞いてもらえればすっきりとするでしょう。

合わない先生の授業を受けるのは辛いですが、それも訓練終了までです。そもそも、職業訓練校は就職のために通っているのですから、先生との相性はあまり気にせず、授業に集中してひとつでも多くの資格取得を目指しましょう。

人間関係に悩んだら意識を変える

職業訓練校には、学歴や職歴、年齢などが異なる人が多く集まります。学生時代に集団生活が苦手だった人にとっては、学校と似た雰囲気のなかに身を置くのは苦痛と感じるでしょう。

また、選択したコースによってはグループワークや企業実習などがあるため、性格的に合わない人とも関わらなくてはいけません。

しかし、それも訓練終了までの期間限定。卒業後に付き合いが続く人たちではないので、無理に合わせる必要はありません。

職業訓練校はあくまでも自身のスキルアップのための場です。人間関係についてはそこまで深刻に捉える必要はなく、周囲の人よりも自分の将来に目を向けましょう。

金銭的に苦しい場合はアルバイト

職業訓練校に通いながらでもアルバイトができますが、以下の条件をクリアしなければいけません。

  • 雇用保険の加入の必要がない働き方(1日4時間以上、週20時間以上、1ヶ月以上の継続雇用は不可)
  • アルバイトをした日や支払い額を書類で申告する

また、アルバイトで稼いだ金額が多い場合や、失業給付金や職業訓練受講給付金を受給しながら授業を受けているケースでは、アルバイトをすると減給や支給停止、退校処分の対象となるので注意してください。

特にアルバイト先の無申告は失業保険や給付金の不正受給となってしまうので、必ず申告してからアルバイトを行いましょう。

将来が不安ならスタッフに打ち明ける

職業訓練校に通う多くの人は、就職について不安を抱えています。

そのときはひとりで悩まず、就職支援スタッフに相談しましょう。スタッフは訓練生の悩みを親身になって聞いてくれるので、孤独感が薄れ、前向きな気持ちになれます。

また、クラスメイトや先生などに話してみるのもおすすめです。

誰かに話すだけで心が軽くなるので、抱え込まずに吐き出すようにしましょう。

職業訓練校の途中退校ぺナルティは学校によって違う

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職業訓練校を途中で辞めても、特に罰則はありません。

しかしこれは、商品やサービスの契約期間中に解約すると発生する解約違約金のようなものがないという意味合いです。

次のような場合では、罰則を受けているのと同じような状況になる可能性があります。

退校理由や学校によっては罰則が発生する

公共職業訓練の場合、退校してから一年間は別の職業訓練を受けられません。(ただしこれは訓練を終了した人も同様)

また、訓練校のなかには就職率を気にするあまり、途中退校を好ましく思わず、無理に引き止めてくるケースも。さらに訓練生が訓練終了後3ヵ月以内に就職すると、訓練校に報酬金が入るため、正社員の就職を望んでいるのにパートやアルバイトでとりあえず就職させるところもあります。

職業訓練受講給付金の支給が打ち切りになる

職業訓練受講給付金は、自主退校によって支給が打ち切りになります。

また、失業保険をもらいながら職業訓練校に通っている場合、基本手当、通所手当(交通費)、受講手当の3つが支給されていますが、自主退校すると基本手当以外は打ち切りになります。

また、支給を受けながら職業訓練校に通うと、所定給付日数が訓練期間中に終了しても、支給が延長されるのをご存知でしょうか。訓練を受けることで、本来もらえる金額よりも多くの支給が受けられるのですが、訓練を辞めれば当然こちらも打ち切りとなるので基本手当も支給されません。

反対に、給付期間が残っている状態で自主退校したときは、基本手当は支給されます。

返金を要求される

自主退校で支払い済の給付金の返還を求められることはありませんが、不正受給と見なされた場合は受給した失業保険の返金要求をされます。

離職票や失業認定申請書の内容を偽って記載した場合のほかに、意外と盲点なのが「就職する気がないのに失業給付金を受給した」ケース。たとえば、個人事業主として開業すると決めているのにもかかわらず、失業給付金を受け取るために嘘の就職活動を申告すると対象となります。

悪質と判断されると、全額返金ではなく倍額+延滞金の返還を求められるので注意しましょう。

職業訓練を辞める手順

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職業訓練校を辞めると決断したからといって、明日から授業に出なくてはいい、とはなりません。

失業給付金や職業訓練受講給付金を受給しているのであれば、必ず以下の手順を踏んで退校するようにしてください。

訓練校に退校の意思を伝える

職業訓練校を退校する場合は、名前や受講している訓練コース、講師の名前、希望の退校日の日時などを尋ねられるので答えてください。

直接はいいにくいのであれば電話で伝えても問題ありませんが、後日、退校する旨を伝えるとスタッフとの面談が行われるため、いずれにしても直接、話し合う必要があります。

ハローワークに辞めたいと伝える

訓練校に退校を申し出たあとは、ハローワークにも同様に伝えましょう。

ただし、ハローワークの相談員は訓練校の退校について、詳細を知らない人が多いので、手続きなどに関する質問がある場合は職員に取り次いでもらってください。

担当職員との面談

職業訓練校に退校を伝えると、直接であればそのまま面談となりますが、電話の場合は後日の登校日に面談となります。

このとき、引き止められる可能性は極めて高いです。職員のなかには「資格を取得して就職の強みにするべき」と訓練生のためを思っていってくれる人もいますが、訓練校としては通い続けてもらったほうが国からの報酬金が受け取れるので、言葉巧みに丸めこようとする人もいるのが現状。

そのため、辞める意思は曲げずにしっかりと持って面談に臨んでください。

また、退校は承諾してくれたものの、退校希望日は延長できないか尋ねられるケースもあります。これには報酬金の締め日が関係しているのですが、決めた日に必ず辞めたいのであれば応じないようにしましょう。

説明を受けて書類にサインする

退校に関する説明は、面談のタイミングではなく、退校する当日に行われます。

授業後、退校する上での注意事項などの説明後に、退校届にサインをして提出する流れになります。

このときにサインをした時点で退校となるので、退校を伝えた面談だけでは無効となるので注意しましょう。

手続き終了から数日後にハローワークから就職支援措置指示取消書が届けば、無事に訓練校を退校したと分かります。

途中退校したほうが良いケース

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職業訓練を辞めたいときはすぐに決断せず、まずは訓練校のスタッフや先生などに相談するのが大事です。

ただし、次の3つの理由の場合は結論を先送りせず、辞めるのを前提で訓練校に相談するのが良いでしょう。

体調不良

体調不良で通うのが困難な状態の場合は、心身の健康を最優先して自主退校してください。

職業訓練校は税金で運営されているため、風邪のように一過性で治る病気を除き、先の見通しが立たない状態で欠席が続いてしまうと心苦しさを感じる人が多いです。

また、無理に通い続けて症状が悪化してしまえば、しんどい思いをするだけではなく、就職に差し障ります。スパッと辞めてしっかりと静養し、元気になってから受講しましょう。

妊娠した

訓練前や訓練中に妊娠をしても、制度上は通い続けることが可能です。

しかし、職業訓練の受講はあくまでも受講終了後の就職が前提。訓練終了後に妊娠後期や出産期に入っていれば働くのは難しいです。つまり、妊娠している人が訓練校にいると就職率が下がり、ハローワークから訓練校への訓練生の紹介が減って、最悪の場合、訓練校が潰れてしまうことも。

ひとりの妊娠がこうした事態に直結しませんが、「妊娠中にタダで資格を取れるから」といった安易な理由で入校する人が増えてしまえば、現実問題になりかねません。

また、妊娠中は予期せぬ体調不良が起こりやすいもの。不安を抱えながらの受講は本人だけではなく、ほかの受講者や講師、スタッフなども気を遣ってしまいます。

つわりなどで欠席がちになり、出席日数が足りなくなって強制退校になる可能性も高く、結果として妊娠している人が職業訓練校にいても本人、訓練校のどちらも得策とはいえません。

家族の介護

訪問介護やデイケアなどを利用しても、家族として全く介護に関わらないということにはなりません。

介護をする人の体調などによって自身の一日のスケジュールが左右されるため、訓練校に通うのは難しい状況になるでしょう。

そのため、一度自主退校をし、状況が改善されてから改めて受講を申し込みしたほうが、落ち着いて授業を受けられます。

途中退校が歓迎されるパターン

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訓練中も積極的に就職活動を行い、内定をもらった、仕事が決まったという場合は、途中退校の形となりますが訓練校からは歓迎されます。

なぜなら、職業訓練校は就職をしてもらうために存在しているからです。受講したら最後まで受けてから就職活動をしなければいけないと思っている人がいますが、そのような決まりはありません。

また、受講中の就活は職業訓練受講給付金のペナルティにも引っかからないので、安心してください。

つまり、受講したコースが自分に合わない、人間関係が嫌で辞めたいと思ったら、転職先を決めてしまえば職業訓練校を正当な理由で辞められます。

職業訓練を辞める際の注意点

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職業訓練を辞めたいときは、以下の注意点を確認したうえで、「それでも辞めるべきなのか」を考えてみましょう。

職業訓練を途中退校するデメリットを把握せず、感情的になって「辞めたいから辞める」と辞めてしまうと後悔する可能性が高いです。

金銭的な援助がなくなる

職業訓練に通って失業給付金や職業訓練受講給付金をもらっているのであれば、辞めてしまうとこれらは支給停止となります。

貯蓄が十分にある場合は心配はいりませんが、そうではないのであれば、お金をもらいながら資格取得や勉強の機会を得られる環境を自ら捨てるのはもったいないです。

所得税が発生する

職業訓練校からの給付金には所得税がかかりません。

しかし、訓練校を退校後にアルバイトなどで収入を得ると所得税の支払いが発生します。

同じ15万円でも、アルバイト(社会保険に加入していない人)であれば所得税として2,980円が引かれますが、給付金は15万円そのまま受け取れます。

履歴書に途中退校を記載しなくてはいけない

履歴書の経歴に、職業訓練校を途中で退校した旨を記載すれば、当然ながら「どうして辞めたのか」理由を尋ねられるでしょう。理由によっては、企業から「入社してもすぐに辞めてしまうのでは?」と思われ、採用試験に合格できなくなるかもしれません。

また、履歴書には必ずしも途中退校を記載する必要はないのですが、そうすると前職を辞めてからの空白期間が生まれてしまうため、「この間はなにをしていないのか」聞かれます。

説明が上手くいかなければ、やはり「採用しても長続きしないかも」と思われてしまうでしょう。

職業訓練を辞めたいならまずは職員に相談

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職業訓練を辞めたいと思ったら、無職になる自分をイメージしてみましょう。

一時の感情で辞めてしまえば、その後は自力で就職先を探さなくてはいけません。職業訓練を修了すれば、就職活動の支援をしてもらえます。

職業訓練によって人生が好転し、就職後にお礼の手紙を送る元訓練生や、自身も支援する側に立ちたいと職業訓練指導員を目指す人もいます。

職業訓練校は登録制ではなく、希望すれば必ず入校できるわけではありません。定員を上回る応募があれば抽選となるほど激戦。訓練校によっては面接があり、事前に質問と回答を調べておくなど手間がかかるため、簡単に辞めてしまうのはもったいないです。

職業訓練を辞めたい理由によって対処法は変わるので、自分にとって一番の方法を見つけ出しましょう。

 

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