仕事でミスが多い辞めたいといった悩みは、誰でも一度は抱えるものです。
しかし、だからといって仕事ミスを直接の理由で辞める人は多くはありません。それは、原因を解決できればミスは減らせるからです。
そこで本記事は、仕事でミスが続くときに、確認すべき対処法を解説します。
感情的に自分を責めてしまうのではなく、どうしたらミスが減らせるか考えてみましょう。
「仕事でミス多い辞めたい」と思ったときの対処法
仕事でミスが多いから辞めたいときは、「ミスをする自分は会社にとって迷惑だ」と落ち込むのではなく、まずは「どうしたらミスを減らせるか」という視点で対処法を考えましょう。
自分はこの仕事が向いてないと辞めるのは、対処法を講じてからでも遅くはありません。
メモを取る
記憶力がずば抜けて良い人でない限り、先輩や上司から指示された内容を100%覚えていられる人はいません。特に入社1~2年目は業務経験が浅く、知識や理解が乏しい時期。仕事内容に関係する資料を渡されても、なにが書いてあるか把握するのが難しい場合があります。
そのため、先輩などから仕事を教わるときはメモは必須です。読み返せるよう綺麗な字で書きたいところですが、書くのが遅いと相手の話のペースを乱してしまうため、その場では走り書きのような状態になってしまっても構いません。
メモは取って終わりではなく、取ったメモをすぐに見直し、まとめる作業が重要。記憶がある状態でメモに書いてある内容を整理、分析できれば覚えが早くなります。
また、メモには教えてもらった内容だけではなく、ミスをした場合はその内容も書き込んでください。次に同じ仕事をしたときに見返せば、ミスを繰り返さなくなります。
メモを取る行動は、実際にミスを減らすのに役立つだけではありません。自分の話をメモを取らずに聞いている人と、メモを取りながら聞いている人では圧倒的に後者のほうが仕事に対して真剣に取り組んでいると評価されます。
仮にミスをしてしまっても、先輩も「自分の教え方が悪かったのかも」とフォローしてくれるでしょう。
ミスが多い仕事にルールを作る
担当として行う業務のなかで、明らかにほかと比べてミスを連発してしまう業務がある場合は、ミスを減らすためのマイルールを設定しましょう。
たとえば、以下のようなルールが挙げられます。
- 業務の開始前にマニュアルやメモを見返す
- 業務の進捗状況をチェックリストに起こし、その都度チェックをする
- 自分のチェックだけではミスを見過ごす可能性があるなら、周りの同僚や先輩にお願いして二重の確認してもらう
- 提出するまえに最終確認をする
確認作業が多く手間がかかりますが、取り返しのつかないミスをしてしまう可能性は限りなく低くなります。
何度か続けていくうちに特にミスをしやすい箇所を除いて確認作業を簡潔にすれば、時間や手間が省けるでしょう。
上司や先輩に質問する
分からないことがあれば、先輩や上司に尋ねてください。
仕事を教わったときに「分かりました」と答えたのに、「やっぱり分からないので教えてください」とはいい出しにくいかもしれません。
しかし、分からない場合は素直に聞くのが一番。先輩から怒られるかもしれませんが、ミスをして怒られるよりも何倍もマシです。
ただし、同じ内容を何度も質問したり、メモを見れば分かることを聞くのは止めましょう。
深呼吸する
ミスをするとパニックを起こしやすい人は、冷静に物事を考えられない状況になり、ミスを重ねてしまいます。
ミスをしてパニックになりそうなときは、深呼吸をして落ち着きましょう。深呼吸は精神的なストレスを緩和する効果だけではなく、脳に十分な酸素を届けられるので集中力が高まり、ミスを防ぐ効果も期待できます。
休暇で気持ちを切り替える
繰り返しミスをしてしまい、プレッシャーを感じて精神的に追い詰められて「もう辞めたい」と思ったら、一度職場を離れてみましょう。
ミスに対して極端に不安になっていると、思考回路がワンパターンになり、視界が狭くなってミスを招く負のループに陥りやすくなります。
また、無理をして働き続けてしまうと体調を崩したり、うつ病などの病気を発症する恐れもあります。真面目な人ほど休暇を取るのは逃げるような気持ちになってしまいますが、有給休暇の取得は労働者に与えられている権利。甘えでもなんでもないので、緊急性の有無にかかわらず自分のタイミングで取りましょう。
休みを取ってリラックスできれば、心身が安定し、物事を冷静に考えられるようになります。仕事をしているとなかなかその状態に持っていけないため、物理的に仕事から離れる必要があります。
整理整頓してみる
心に余裕がなくなると、身の回りの整理整頓にまで気が回らなくなります。
ミスが続いているなら、机の上が散らかっていないか確認してみましょう。
本来あるべき場所に持ち物があれば、仕事で使うときにすぐに取り出せますが、適当な場所に置いてしまうと物を探すのに時間が取られ、探しているうちに業務の内容を忘れてしまうかもしれません。
身の回りを整理整頓すれば、余計なことを考えずに仕事に集中できるのでミスが少なくなります。
仕事机の上が汚い人、整理されていない人、資料がごちゃごちゃだったり引き出しが開かなかったりの人は、
頭の中も整理されていないので
要領悪くミスも多い。
ですよね— とらいあーど(hermit&quartz) (@Harmitquartz) August 18, 2023
ポジティブに考える
ミスをした自分を責め、いつまでもクヨクヨと考えていてもミスはなくなりません。ネガティブな感情や後ろ向きの姿勢からはなにも生まれてこないのです。
それよりも、「今回のミスで、自分はこうしたミスをしやすいと気づけた。自分が成長するためには必要だったのだ」とミスを前向きに捉えてみましょう。
こうしたポジティブな思考を、開き直りと受け取る人がいますがそれは間違い。今の自分を否定するのではなく、ミスをした自分を受け入れ、今後は同じミスをしない自分を生み出すために必要な作業です。
「誰にでもミスは付き物」を忘れない
自分のミスを極端に許せない人は、自身に対する期待値が高すぎたり、自信を持ちすぎている傾向があります。
「先輩や上司は完璧に仕事ができるのに、どうして自分はできないのか」と考えて落ちこんでいるのなら、そもそもその考え自体が間違っています。
なぜなら、「今」は仕事でミスのない先輩や上司も、「過去」は失敗の連続だったはずだからです。
会社がもし、新入社員のときから一切ミスをしない能力を備えた人材を欲しているのであれば、そのような人を採用したでしょう。あなたが会社に就職できたのは、上層部や人事部があなたに可能性を感じ、育てていくつもりで採用したからです。
つまり、あなたがミスをするのは想定内で、ミスから何を学んでいくのかその姿勢を問われているのです。
ミスが多い仕事を辞めるかどうかの判断基準
仕事でミスが多く辞めたいときは、すぐに辞めるのではなく、まずはミスをしてしまう原因を探り、対処法を講じるのが優先順位では先になります。
しかし、対処法を実践してもミスが減らないと、自分はこの仕事に不向きなのではないか?と疑問を感じたり心配になるでしょう。
ミスをしながらでも仕事を続けるべきか、辞めたほうがいいのか悩んだ場合に、辞めるべきと判断できるケースは以下の3つです。
自分に改善点がないか
ミスをしないための対策を行っていないのであれば、まずはしっかりと対策をして仕事に臨みましょう。それができていなければ、どこに転職しても結果は同じです。
しかし、ミスによって仕事に支障が出ているのであれば、周囲との人間関係にも影響を及ぼしてしまい、先輩や上司に相談しにくいだけではなく、「辞めます」とはいい出しにくい状況になる場合も。
ここまで行き詰ってしまったら、自分からの退職の申し出は難しくなるので、1人で悩まず、退職代行サービスを利用して退職の意思を伝えるのも良いでしょう。
業務内容は自分に適切か
業務の内容によっては、スキル不足を始め、性格的に向いていない、働く環境が合っていないなどの理由で、いくら努力をしてもミスの修正や改善が容易ではないケースもあります。
会社に職場環境や仕事の内容の改善を求める方法もとれますが、仮にそれで働きやすくなったとしても、居心地が良い状況とはいえません。
それよりも、合っていない仕事は早めに退職し、気持ちを切り替えて自分に合う仕事を探すほうが賢明です。世の中の仕事の全てが自分に合うわけではないので、「合わない業界や職種が知れた」と思い、前向きに転職を検討しましょう。
教育制度に問題がないか
ミスをしてしまうのは、仕事の覚えが悪い自分の責任だと思いこんではいませんか。
仕事のマニュアルがない、ミスに対して怒鳴られたり人格否定されるといった場合は、あなたが悪いのではなく会社の体制に問題があります。
教育制度が破綻している会社では、モチベーションが保てず、やりがいを感じられません。ミスを発生してしまうのは当たり前なので、仕事を辞める方向で考えましょう。
仕事でミスが多い人の特徴
ミスをしないための対処法を行ったり、考え方を変えてミスを減らせる人がいる一方で、何度も同じミスを繰り返してしまう人もいます。
自分はミスが多いと思ったら、以下の3つの特徴に当てはまっていないか確認してみましょう。
他人のせいにして反省しない人
ミスは自分のせいではないとして、他人に押し付けてしまう人は、すぐにまた同じミスを行います。
なぜなら、前回のミスを自分のミスだと思っていないので、改善点を何も見つけられていないからです。
また、ミスを他人の責任にするだけではなく、「急かされていたから、落ち着いて対処できなかった」のように言い訳をしてしまう人も同様。
こうした他責思考が強い人は、自己評価がやたらに高い性格である人が多く、先輩や上司から怒られるのを避けたいと思うあまり、仕事に対する責任感をないがしろにしている可能性が高いです。
「だけど」「でも」をよくいっていないか、自分自身を振り返ってみましょう。
自己判断で行動する人
先輩や同僚の意見やアドバイスに耳を傾けず、自分のやり方に固執してしまう人や、上司や担当者にきちんと確認をせず、憶測で作業を進めてしまう人はミスが多くなります。
豊富な実績やキャリアを有する30代以降の役職者であれば、企業の上層部から信頼の得ているので、業務に関する取り決めを一任されているでしょうが、20代の新人社員ではそのようなケースはほとんどなしと考えてください。
自分中心で仕事をしてしまうと、ミスをしたことにすら気づけません。社員同士のチームワークやコミュニケーションがあるからこそ、小さなミスが大きくなるまえに防げるのです。
今回のミスを次の改善につなげられない人
ミスを指摘されたら、どうしてミスが起こったのか、再びミスを起こさないためにはどうしたら良いのか考えましょう。ミスをして「すいませんでした」と反省だけしても改善点を見出せなければ、また同じミスを繰り返します。
会社は慈善活動ではありませんが、それでも多くの場合、ミスをしたからといってすぐにクビや異動にはしません。
ミスをしたあとに、挽回してくれると希望を持っているからです。
知恵袋にも「ミスが多く仕事を辞めたい」といった悩みが投稿されていますが、回答者の多くがミスそのものよりも同じミスを二度、三度と繰り返すことを問題視しています。
仕事でミスしたときの対応手順
仕事でミスをしたときに、「どうしよう」とパニックになっている時間が長くなるほど、リカバリーが遅くなります。
ミスをしたときの対応の流れが事前に頭に入っていれば、すぐに行動に移せるのでダメージを最小限に抑えられます。
ミスに気づいたら、次のように対応しましょう。
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STEP1上司にミスを報告するミスをした内容、ミスにとって迷惑が被る範囲などを正確に伝えます。このときに注意したいのは、ミスを起こすに至ったやむを得ない状況や、自分の気持ちなどは自ら伝える必要はありません。言い訳に聞こえるので、上司から質問されたら答えるようにしてください。
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STEP2上司から対応について指示を受ける自己判断で処理をしたり、自分一人でなんとかしようとせず、必ず上司の指示に従います。
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STEP3迷惑をかけた人に謝罪する第一にお客様に対して謝罪し、次いでミスの修正や処理に動いてくれた部署の同僚や先輩などにお詫びをしましょう。外部の人に迷惑をかけた場合は、電話でまずは謝罪したあと、改めて直接出向いてお詫びをします。
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STEP4ミスを振り返り、対策を考えるミスが起こった原因やミスが起こったときの自分の行動などから、同じミスを起こさないための対処法を考えます。
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STEP5今後の対応を報告、共有する結果を報告したうえで、対処法などを社内で共有します。報告だけではなく情報を共有できれば、先輩などからより改善に繋がるアドバイスが得られやすくなります。
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仕事のミスは意識次第で改善できる
ミス続きで現職を辞めたいと思ったら、今の時代は登録料無料、スマホ1つで、転職サイトやエージェントと繫がれます。具体的にはマイナビやリクルートエージェントなどがあり、CMなどで見かけた人も多いでしょう。
全国の求人を気軽に探せるため、自分が好きで興味を持てる仕事に転職したほうが、目標を持って成果が挙げられるのではと思うかもしれません。
しかし、ミスが起こる原因を解決できない限り、次もまた同じミスを繰り返してしまう可能性は高いでしょう。
仕事でミスが多い人は、ミスが多いことを理由に会社を辞めてしまうまえに、まずはミスと向き合い姿勢が大事です。