あなたは何歳まで交代勤務を続けるつもりですか?
交代勤務は、給料待遇が良いことから「早くお金が貯められる」と希望をもって就職する人も多いのですが、一方で日勤と違う働き方のストレスによって就職後すぐに後悔する人も少なくありません。
そこで今回は、交代勤務の「あるある」や「やばい」理由について解説します。
夜勤を辞めたいと思う原因
夜勤の退職理由は山ほどあります。人間には向き不向きがありますので、全ての人に当てはまるとは限りませんが、以下に当てはまる項目がある場合は要注意。
ここでは、夜勤を辞めたくなる6つ原因について解説していますので、早速見ていきましょう。
夜出勤で疲労が溜まる
投稿者のように、生活スタイルを変えることで睡眠の質が下がり、日勤の仕事よりも体の疲労感が辛いことで離職を意識する人も少なくないようです。長年、交代勤務を辞めていた人が、離職しても日頃の習慣で2~3時間で目が覚めてしまい、ぐっすり眠れず慢性的な疲労感に苦しむ人もいます。
交代勤務をすると、一般の人たちが仕事を終えて帰宅する夕方や夜に出勤することになります。何より普通の人の暮らしとズレているというだけでも少し億劫な気分になってしまいがちです。夜からの出勤は、想像以上に心身にストレス(負荷)を与える働き方と言えるでしょう。
体調を崩しやすい
慣れるまでは睡眠不足によって体調不良が続き、常に倦怠感が付きまといます。夜勤の日は、昼間に睡眠をとっておく必要がありますが、世間の昼間と言えば活動の時間帯です。自宅周辺の環境次第では、うるさくてしっかり眠ることが難しい人もいるでしょう。例えば、以下のような環境です。
- 近所に学校・幼稚園がある
- 公園で遊ぶ子供たちの声がうるさい
- 工場の稼働音がうるさい
- 隣人・上階がうるさい
- 宅配や来客でインターフォンが鳴る
など
生活リズムが不規則で睡眠時間がきちんと確保できなければ、常に睡眠不足の状態に陥り体調管理も難しくなります。「睡眠不足は万病の元」と言われるように、日々のストレスがうつ状態を悪化させ、無気力状態になる可能性もありますので注意が必要です。
職場が不衛生
工場勤務では、職場の衛生状態が不満で辞めたくなる人もいます。例えば、大手化学系の工場などでは、製品の原材料を扱う中での汚れることもあるでしょう。機械類を円滑に動かすための油や薬品類による汚れも避けられません。
また製造現場など、汗をかきやすい肉体労働の職場なら汗の臭いも気になるでしょう。潔癖症や神経質な人にとっては、耐え難い環境と言えます。
コミュニケーションが少ない
とりわけ工場勤務では、人と話す機会(コミュニケーション)が少ないことでストレスが溜まり、離職を考える人もいます。人と話すのが苦手な人なら特に問題ないかもしれませんが、工場勤務では基本的に自分の持ち場の作業をひたすら続けなければなりません。
たまにチーム内で課題を話し合ったり、分からないことを先輩職員に質問したり、休憩中に同僚とおしゃべりすることはあったとしても、基本は作業が中心です。人とのコミュニケーションが好きな人にとっては、苦痛でしかありません。
仕事が難しい
工場での勤務には、身体的な危険を伴う作業や資格が必要な難しい業務もあります。部署・部門にもよりますが、製造現場では危険なことも多いものです。以下は、危険が伴う仕事の一例です。
- ベルトコンベアに衣服や腕が巻き込まれる
- 薬品が体にかかり人体に有害な薬品を誤って吸引する
- 熱水の配管や抽出釜などに体の一部が触れてしまい熱傷
- フォークリフトに轢かれて骨折する
- 鋸刃の折損・飛散片によって手足を切傷する
など
機械や薬品類を扱う際には、細心の注意が必要です。小さなミスが大事故につながることもありますので、体と心を整えて仕事に従事する必要があります。作業の難易度が高く、自分は向いてないと感じたら、無理をせずに転職を検討しましょう。
単純作業でモチベーションが上がらない
工場勤務でよくあるのが「ライン生産方式」の業務です。製品を生産するラインの各工程では、原則として同じ作業を繰り返すことになりますので、単純作業で働くモチベーションが上がりにくいことも離職の理由になり得ます。
人には向き不向きがあり、一定の作業を集中して行う働き方を得意とする人もいますが、一方で単純作業の継続が苦痛になって退職する人も多い模様。一般的に、同じことを繰り返すうちに眠気で集中力が途切れるという場合を回避するためにも、モチベーションが欲しいものです。ただし、この問題は、AI化が進み、単純作業はロボットの仕事になる日までの課題と言えるでしょう。
交代勤務で辞めたい人の対処法
「給料が良い」「休みが多い」などの理由から、交代勤務に従事する人もいるでしょう。働く期限を決めて従事するのも良いですが、健康な体があってこその仕事です。
まずは心と体を整えることを念頭に、ここでは、夜勤をはじめとする交代勤務を円滑に進めるためのヒントを確認していきましょう。
日中は太陽光を避ける
地球上のすべての生物 (人間・動物・植物 ) には、脳の特定の領域や個々の細胞にさえ位置する体内時計が存在します。昼間に太陽光を浴びると体内時計を整えるセロトニンが分泌され、夜間になるとメラトニン分泌量が増加し眠くなります。日中に光を多く浴びることで、夜の速やかな入眠が期待できます。
そのことを逆手にとり、夜勤明けの人が昼間に入眠するために、明るい太陽光をできるだけ避けるというわけです。例えば、以下の2つの方法がおすすめです。
- 朝~日中の帰宅時にサングラスをかける
- 就寝前はカーテンを閉め切る
ただし、セロトニンは、睡眠と覚醒のサイクルを調節する上で重要な物質です。私たちの体内時計の仕組みから言うと、昼夜逆転した生活は体の免疫機能低下が指摘されていますので、長期的に続けることはおすすめできません。
消化の良い食事を摂る
夜勤前の食事でおすすめしたいのは、消化の良い食事です。消化の良い食べ物は胃腸への負担が少ないため、仮に満腹状態で仮眠をとっても、起床後の膨満感で仕事に支障が出にくいとされています。消化に良い食事の一例は、以下のとおり。
- 温かいうどん
- 豆腐
- 鶏むね肉
- 白身魚
- スープ類
- 卵雑炊
- 大根
- りんご
など
体温は日中に上がり、夜間に下がる傾向にあるため、体を温める食べ物がおすすめです。反対に、脂っこい中華料理、スパイスや香辛料の効いた激辛料理、アルコール類などは胃腸に負担をかけやすいため、夜勤前の食事には向いていません。
夜勤前は心身を休める
夜勤前は、体力を温存しておくことが重要です。夜勤前に激しい運動したり、頭を使う作業に熱中すると、夜勤の最中に眠くなったり疲労で仕事の質が落ちてしまいます。リラックスして過ごせるおすすめの方法としては、以下のとおり。
- 部屋の照明を落とす
- 好きな音楽を流す(音量は小さめで)
- 目を閉じて横になる
- 深呼吸を繰り返す
- 読書する
など
仮眠時間を設ける
眠気を我慢したまま作業を進めると、集中力が低下しミスの発生に繋がることもありますので、夜勤前には仮眠をとり、夜勤に向けて体力を備えておきましょう。寝過ぎると夜勤明け日の睡眠に支障をきたすため、仮眠時間は120分程度に抑えておくのがベスト。
仮眠ができない場合は、ベッドやソファーに横になり15分程度目を閉じるだけでもOKです。世界的にもパワーナップ(Power Nap=積極的仮眠)が注目を集めており、Google、Apple、Microsoftなどの世界的企業では、オフィスに仮眠スペースを設けるなどして積極的に仮眠を推奨しているほどです。
寝る前に飲食しない
仮眠前は、飲食せずに寝たほうが睡眠の質が良くなります。食後の体は、胃の中の食べものを消化しようと活動を行います。脳や体を十分に休めて良質な仮眠をとるためにも、食事は仮眠の2~3時間前までに済ませましょう。
食べものをきちんと消化し、しっかりと体を休めておくことが、円満な夜勤業務を行うコツ(ワンポイント)です。
サウナに行く習慣を作る
夜勤明けの週末は、サウナに行ってリフレッシュするのもおすすめです。老廃物や余計な水分を排出して心身の健康を維持しましょう。サウナをおすすめする理由は、以下のとおり。
- 新陳代謝アップ
- 免疫力アップ
- 体力アップ
- 自律神経が整う
- メンタルが安定する
- ぐっすり眠れる
など
相乗効果によって体と精神のリズムを戻し、風邪を引きにくいタフな体へと導けるでしょう。ただし、サウナの中では脱水症状に陥りやすいため、アルコール類の飲酒後にサウナに入るのは厳禁です。
交代勤務に潜むデメリット
交代勤務制の仕事は、夜勤シフトに入ることで深夜労働手当がつくなど給与面で優遇されることも多いのですが、それなりに覚悟が必要です。
慣れてしまえば楽だという人もいますが、多くの人は苦痛を伴います。生活リズムの変化によって受けるストレスの大きさを知り、心と体が悲鳴をあげる前に、交代勤務のデメリットを確認しおきましょう。
慣れるまで苦痛
昼間に活動して夜眠る生活が基本だった人が、交代勤務(4直3交代など)の職場で働き始めると、生活リズムの乱れや睡眠不足により常に倦怠感が付きまといます。勤務中だけじゃなく、仕事以外の時間も不調が続くこともあり、慣れるまでは苦痛の連続です。
慢性的な睡眠不足や体調不良に悩まされる人も多いため、慣れるまでは体調管理に注意しながら生活することを心がけることが大切です。
シフト交代が急だと体がもたない
日勤と交代勤務を隔てる大きな壁は、シフト編成により昼夜が逆転してなかなか寝付けないことです。職場や派遣会社の都合などで、急にシフト交代を命じられることもあります。シフト交代の変更が多い職場は、自律神経が乱れて体がもたなくなる人も多くいますので注意が必要です。シフトの一例は、以下のとおり。
項目 | 2直2交代制 | 3直3交代制 | 3直2交代制 |
---|---|---|---|
例 | 早番(1班) 8時〜16時 |
日勤(1班) 8時〜17時 |
日勤(1班) 8時〜20時 |
遅番(2班) 16時〜24時 |
準夜勤(2班) 16時〜翌1時 |
夜勤(2班) 20時〜翌8時 |
|
- | 夜勤(3班) 0時〜翌8時 |
休み(3班) |
休みが無意味
例えば、夜勤→早番のシフトだと、せっかくの休日なのにほぼ寝て終わってしまいます。自由に使える時間が数時間しかなく、休日=睡眠調整日のような扱いになってしまうため、通常の休みの日よりも随分損した気分になるでしょう。以下のは、夜勤→早番シフトの過ごし方の一例です。
曜日 | 生活の一例 |
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土曜日 |
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日曜日 |
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月曜日 |
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プライベートが侵害される
せっかくの休日だから友人や恋人と出かけたいと思っても、交代勤務制が故に「その日は夜勤だから早く眠らないと…」とプライベートが侵害される状況が往々にしてあります。旅行の計画が立てにくいのはもちろん、歯医者の定期健診などの予約を入れるのもシフトカレンダーを確認してからでないと返事ができないのも面倒です。
特に遊びたい盛りの10代~20代の若者は、急な遊びの誘惑に勝てずプライベートを優先してしまうこともあるでしょう。若さで乗り切れる部分もありますが、睡眠不足で勤務にあたるのは誰でもしんどいはずです。
交代勤務は無理せず辞めて良い
残酷なことを申し上げますが、あなたが仕事を辞めても会社は存続します。真面目で責任感が強い人ほど、自分を犠牲にして会社のために尽くす傾向がありますが、あなたが交代勤務を続けて体を壊してしまえば本末転倒です。
24時間休まず職場を稼働させるために、日勤と夜勤のローテーションを繰り返す勤務形態(=交代勤務)には、主に二交代制と三交代制があります。交代勤務は、一定の期間で日勤→夜勤または夜勤→日勤に変わるため、通常の勤務と比べて変則的な働き方が特徴です。
人間は、朝起きて日中に活動し、夜になったら眠るのが基本です。自然の摂理に反して、夜中起きて働く、中途半端な時間に食事を摂る、夜勤明けで昼間眠るなどの不規則な生活リズムによって、体内リズムも狂いやすくなります。
つまり交代勤務は、睡眠の質や胃腸の疲労度に大きく影響し、心身のバランスを崩す可能性が高いリスキーな勤務体制と言えるのです。心身共に健康でなければ良い仕事はできません。生活リズムが狂ってしまったことで心身の不調を感じている人は、我慢せず交代勤務を辞めてほかの仕事を探しましょう。
交代勤務を続ける場合の絶対条件
交代勤務を何年も続けるのは、心身の健康という観点からはあまりおすすめできません。とはいえ、救急病院、介護施設、工場、消防、警察など24時間体制で働いてくれる人がいるおかげで、私たちは安心安全に暮らせるのも事実です。
そこで、交代勤務を続けるにあたって意識しておきたい妥協点を、チェックしておきましょう。
妥協点 | 説明 |
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1週間のシフト制 |
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2交代制 |
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交代勤務手当が付く |
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深夜手当が付く | |
若い内は経験として |
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年間休日100日以下の交代勤務はブラック企業
三交代制そのものは「ホワイトな」働き方ですが、年間休日100日以下の三交代を命じている会社は、ブラック企業である可能性があります。もし年間休日を見直して、年間100日を切っているような会社なら違法性も考えられますので、迷わず退職しましょう。
週休2日制では、年間100日に足りません。週休2日(月休8日)×12ヶ月=96日ですので、年休休暇100日以上取るには、プラスαで休みを取る必要があります。入る業界を間違えるとブラック労働になりかねませんので、注意が必要です。「ホワイト」な会社の場合は、以下のような内容で雇ってくれるでしょう。
項目 | 説明 |
---|---|
給料が高い | 一般平均より100万ほど収入が高い |
勤務時間が短い | 8時間(休憩時間込み) |
営業ノルマがない | 目の前の仕事をこなすのみ |
残業が少なめ | 人手不足の場合のみ残業する |
休日出勤はない | 有給休暇が自由に取れる |
交代勤務を辞めさせてくれないのは会社の都合
交代勤務をなかなか辞めさせてもらえない理由として、上記回答コメントのような会社の裏事業が推測できます。上司の言葉を真に受けて「私がいなくなったら会社が困るから」と無理して続ける人もいますが、あなたが会社に合わせる必要はなく、辞める意思を伝えても問題ありません。
もし上司や社長に退職の意向を伝えても辞めさせてもらえない場合は、法律違反にあたります。民法の第672条では、「当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者はいつでも解約の申し入れをすることができる。雇用は、解約の申し入れの日から2週間を経過することによって終了する。」と定められています。会社の都合の良い人間になるのを辞め、自分らしく働いてほしいと思います。
交代勤務はデメリットが多いのでつらいなら辞めるべき
交代勤務は、高収入で休みが多いことから軽い気持ちで働き始める人もいますが、生活リズムが乱れることで身体的にも精神的にも大変なことが多く、残念ながら離職率が高い傾向にあります。
若いうちは社会経験として、働く期限を決めて交代勤務に従事するのも悪くありません。急に退職願を提出するのに抵抗がある人は、ネットの転職サイトで自分に向く仕事を診断したり、求人・転職エージェントに登録してみることから始めてみるのも良いでしょう。