ボーナス出ない会社を辞めたい人は多いでしょう。
ボーナスない会社は仕事のやる気がでないですし、経営がやばいのでは?と不安になります。
また、入社してまもなくはボーナスが出ていたのに、告知なしで突然ボーナス出なかった場合や、儲かってるのにボーナスなしにされたときは、どのような対処を取るべきなのでしょうか。
ボーナスが出ない会社の問題点などに触れながら、ボーナスと働き方について詳しく解説します。
ボーナスが出ない会社を辞めたい人がとるべき行動
一般的に夏と冬の年2回、ボーナス時期が近づくと「ボーナス商戦」が活発になり、さまざまな商品が大売出しされるのは実は日本独自ともいえる風物詩。
しかし、それが今も日本のスタンダードであるかといわれたら、現状は違います。
厚生労働省の調査によると、日本の企業全体の約3割ではボーナスが支給されていません。
それでは、ボーナス出ない会社を辞めたいと思ったとき、どうすれば良いのでしょうか。
会社に交渉する
ボーナスが出ない不満は、あなただけではなく、職場の多くの従業員が抱えている可能性が高いです。
自分1人でボーナスの満額支給を主張しても上手くいかないケースが多いので、まずは社員同士で連携を取り、意見の調整などを行ってください。
次に、労働組合に連絡をして要件を伝えます。労働組合は、会社の経営状況などから賞与なしが本当に妥当であるのか確認し、ボーナスを減額しても支払われるのが妥当と判断されれば交渉へと動きます。
労働組合がない会社の場合は、社員が集団で直接交渉しなくてはいけません。その場合、交渉先は上司ではなく、社長や上層部の経営陣が対象となります。
なお、会社は労働者に対して賃金(給与)を支払う義務があるものの、ボーナスの支払いは義務ではありません。ボーナスの支給がないこと自体は、違法とはいえないので交渉のときは注意が必要です。
年収とスキルが合致しているか見直す
ボーナスの有無を会社からの評価とするのではなく、自分のスキルに対して年収が妥当であるかを判断基準にしましょう。
日本でもベンチャー企業などでは、年俸制を採用している場合はボーナス分が既に含まれています。
また、外資系企業ではボーナスに対する考え方が日本とは違います。日本ではボーナス(特別賞与)としながらも、実際には会社に在籍していれば夏と冬のタイミングでボーナスが支給されるケースがほとんど。
一方で、外資系企業はボーナスは文字通りの特別賞与として扱われ、会社が大きな利益を得た場合などに限り還元されます。
そのため、日本企業以外で働いている人の多くは、ボーナスを定期的に受け取っていません。そもそも会社への貢献度と年収が見合っていれば、ボーナスの有無は関係ないと考えています。
反対に、仕事がきついのに給料安いと感じるのであれば、それは自身の経験やキャリアが会社から正当な評価を得ていないと判断し、もっと待遇の良い会社への転職を目指して求人活動を行います。
ボーナスがない理由を聞く
「しっかりと成果や実績を出して、仕事に成功しているのに、どうしてボーナスが支給されないのだろう」といった疑問は、社員側がいくら考えても答えは出てきません。
なぜなら、ボーナスの支給を決定しているのは、社員ではなく、会社の上層部や社長などの経営陣だからです。利益は出ているものの今後の見通しが明るくないため、冬のボーナスの支給を見送ったのかもしれませんし、仕事以外の査定が響き支給しないと決めたかもしれません。
つまり、直接聞いてみなければ真相は分からないのです。
ボーナスが支給されない理由を尋ねるなんて、自分に対する印象が悪くなるのでは?と思うかもしれませんが、会社に貢献し、ボーナスを支給されるだけの働きを自分はしたと思えるのであれば、躊躇わずになぜ支給されないのかを聞いてみましょう。
会社の現状を確認する
日本おいても本来は、ボーナスは業績によって支給が左右されるものです。
いくら自分が成果を出しても、会社全体が赤字であればボーナスは支給されないため、経営状況がどうなっているのか確認してみましょう。
現状の確認には、以下の3つの決算書が必要です。
- 貸借対照表
- 損益計算書
- キャッシュフロー計算書
上場企業の場合、決算書は金融庁が運営しているEDINETや証券取引所のサイトから取得が可能。
非上場企業であっても株式会社には、官報/日刊新聞/電子公告のどれかで決算の開示義務があるため、決算書を取得ができます。
会社を辞める
会社に対する貢献度と年収が合っていない、ボーナスの支給を交渉したものの決裂。決算書を見ると業績不振であり会社の将来性がない。
こうした会社に、長く留まる理由はありません。
20代は転職サイトやエージェントでも求人が多数あり、選択肢が豊富です。登録料無料でアドバイザーから希望の職種や人気の業界への支援をしてもらえ、内定が掴みやすいでしょう。
とはいえ、「ボーナスが出ないから辞めます」と、上司に気軽にいえる人は少ないのではないでしょうか。
特に真面目で優しい人ほど、「ボーナスは出なくても、月給はきちんと支払われているのだから」と悩んでしまいやすいもの。
そこで、現職を安心して辞めるために覚えておきたい方法のひとつとして、退職代行サービスの利用を提案します。退職のプロに対応や手続きを一任し、自分は次のステップに向けたスケジュールを組んで、時間を有効に活用できます。
ボーナスが出ない会社の問題点
近年、日本でも年俸制を導入する企業が増えていますが、そうはいってもまだまだ従来の年功給を敷いている会社が圧倒的に多く、労働者側も正社員として採用されればボーナスが支給されるのは当然という価値観が強くあります。
そのため、正社員であるにも関わらずボーナスが出ないのであれば、会社の体質に問題があるので辞めたいという気持ちになるのはごく自然なこと。
ボーナスが出ない会社を辞めて良い理由をご紹介します。
会社の将来が不安
ボーナスは会社の利益が社員に還元されるので、利益が出ていなければ支給はありません。
つまり、ボーナスが出ないのは、ボーナスが反映される期間の会社の業績が思わしくなかったということ。
業績の悪化を解消するために、まずはボーナスの支給を止める企業は少なくありませんが、ボーナスが出せないほど業績が悪化した本当の原因を改善できなければ、いくら一時的にボーナスの支給を削っても焼け石に水といえます。
既に会社の経営が危ういほど傾いている可能性もあり、ボーナスカットの次はリストラが待っているかもしれません。
いずれにしても会社の状態は健全とはいえないため、早めに退職する決断をするのが良いでしょう。
社員の扱いが粗雑
ボーナスは、会社に貢献し、利益をもたらした社員に対して当たり前に還元されるべきもの。
しかし、なかには利益そのものしか目に入っておらず、社員への労わりや感謝の気持ちを持たない残念な経営者もいます。
社員などの規模数が同程度の同業他社がボーナスをもらっているのであれば、自分が働いている会社でもボーナスは支給されて然るべき。
支給されていないのであれば、社長は社員をないがしろにするタイプの人だと見切って、ボーナスを支給している同業他社に転職を検討してみてはいかがでしょうか。
経営方針に難あり
世の中の状況などによっては、どんなに大手企業であっても、コスト削減の一環としてボーナスカットが提示される可能性は0ではありません。ただし、もし実行するのであれば事前に必ず、社員に対して丁寧な説明があります。
しかし、説明はおろか、以後はボーナスカットの提示すらなく、ボーナス自体をなきものとして扱うような会社であれば、経営方針に疑問を抱かざるを得ません。
そのような経営陣が、世間のニーズを汲み、業績を上方修正できるようなアイデアを出せるとは到底思えないでしょう。
ついていっても、結局苦しむのは多くの社員です。
思い切って辞めて、健全な経営陣がいる新しい会社で再出発をしたほうが、自分自身の人生や生活も健全に設計できます。
ボーナスなしが違法になるケース
月給とは違い、ボーナスは就業規則や雇用契約書で支給について明示されていなければ払う必要がありません。
それでは、ボーナスの不支給が違法となるケースには、どのようなものがあるのでしょうか。
事前の支給が決まっているのに支給されないと違法
就業規則や雇用契約書などで、ボーナスの支給について明確な規定の記載がある場合は、支給しなければ違法となる可能性があります。
たとえば、「毎年6月に3カ月分、12月に3.5カ月分支給する」といった記載があるのに支給されなかったのであれば、労働組合や人事部に相談してみるのが良いでしょう。
不支給条件が設けられていれば合法
就業規則や雇用契約書に「毎年6月に1.5カ月分、12月に2カ月分支給する」と記載されていても、併せて「業績不振によりボーナスの一部をカットすることがある」などのような不支給条件が設けられている場合は、業績不振を理由にボーナスが不支給となっても違法にはなりません。
不支給条件には業績だけではなく、労働者の勤務成績の悪化なども入れられるため、会社の業績が良くても本人の成績が良くないのでボーナスを支給しないとしても、こちらも違法にはなりません。
ボーナスが出ないと年収に大きな差が出る
ボーナスがなくても月給で十分な収入が得られている場合や、年俸制でボーナスを含んだ年収となっている人を除き、今の日本ではボーナスが支給されない会社で働き続けるのはデメリットが多いです。
ボーナスなしが当たり前になっている人は、今一度、以下の項目をチェックしてみましょう。
貯金が増えにくい
月給20万円から毎月4万円を貯金しても、1年間で貯められるのは48万円です。
しかし、 年2回のボーナスがあり、1回のボーナスが基本給の2ヵ月分あれば、年間のボーナス分は80万円になります。その半分を貯金しても40万円。ここに毎月の貯金額をプラスすると、一年間で88万円も貯められます。
ボーナスがあると貯金が早く貯まりやすくなるのは一目瞭然です。
生涯年収が低い
月給が同じでも、ボーナスが出る同業他社で働いている人と比べると、一生で稼げる金額は大きく変わります。
1回のボーナス額が20万円だとして年2回で40万。大学卒業(22才)から定年(65才)まで同じ会社で働き続けた場合(43年)、ボーナス17,200,000円分の年収の差が生まれます。
ローンが組みにくい
住宅や車など、大きなお金が動くものはローンを組んで購入する人が多いです。
貯金をする意思や目的のひとつでもあるでしょう。
しかし、ボーナス併用でローンが組めないと、毎月に支払う金額が増えてしまうため、住宅や車を諦めなければいけません。
身の丈に合ったローン返済が大前提ですが、一生懸命働いても欲しいものが買えないのは辛い経験となるでしょう。
ボーナスカットされたら辞めるのが吉
ボーナスカット自体は法律違反にはならないため、ボーナスが支給されないからといって、必ずしも勤めているのがブラック企業とはいえません。
社長に恩義があり、会社がピンチのときこそ社員で結束して乗り越えたいという人もいるかもしれませんが、ボーナスが支給されないのはそれなりの理由があります。
ここでは、ボーナスカットをされた場合は、退職を検討したほうが良い理由を2つご紹介します。
ボーナスカットは1回とは限らない
ボーナスカットの理由が業績不振の場合、1回の不支給のみで業績が大幅に回復する可能性は極めて低いといえるでしょう。
そもそも、ボーナスが支給できないほど会社の経営が悪化しているのですから、ボーナスカットは1回だけではなく2回、3回と続く可能性のほうが高いです。
住宅ローンの支払いをボーナス併用で行っている人は多いですが、滞納が3ヵ月続くと一括返済の案内が届き、分割での支払いがストップ。そして、一括返済できないと競売にかけられてしまい、自宅を手放すしかなくなります。
早めに転職をしてボーナスが支給される会社に採用されれば、こうした事態を避けられるでしょう。
会社と争うのはリスクが高い
労働組合を通じて、経営陣にボーナスの支給を訴えることはできます。
大手企業は労働側の権利をしっかりと認めていますが、中小企業では上層部から「ストライキの主犯」「問題を起こした社員」というレッテルを貼られる可能性は否定できません。後の出世や昇給に影響が生じる場合もあるでしょう。
また、ほかの社員から「同じと思われたくない」と避けられるようなケースもあります。肩身が狭い思いをしながら働き続けても、モチベーションが保てないだけではなく、心身のバランスを崩し体調不良に陥る可能性もあります。
ボーナスが出ない会社との付き合い方を考えよう
ボーナスカットは得られたはずの収入が消滅するだけではなく、あなたの人生や生活を脅かす出来事です。
日本ではこれまで、入社した会社で定年まで勤めあげるのが良いと考えられてきましたが、近年は働き方は生き方であり、人それぞれ自分がベストと思える方法を選択していく流れに変わってきました。つまり、退職は逃げではないのです。
ボーナスカットは、退職を考えるひとつのきっかけになります。
ただやり過ごすのではなく、会社の経営状況を調べ、自分のこれからの生き方と照らし合わせた上でどうするのか考えてみましょう。