会社を辞めたいと入社4年目に思う人は多く、実際に辞める人は少なくありません。なぜ、4年目の離職率は高いのでしょうか。
また、社会人4年目の転職は、実はタイミングとしてはおすすめの時期。
「転職したいけれど、4年も頑張ったのに辞めるのはもったいない」と思っている人や、反対に「4年しか経っていないのだから、もう少し頑張るべきでは」と思い、行動に移せない人は最適なタイミングを逃している可能性があります。
そこで本記事では、会社を辞めたいなら4年目が良い理由を詳しく解説します。
会社を辞めたいなら4年目が最適な理由
転職はスタートが早めのほうが有利です。
それなら入社4年目よりも、入社1~3年目の第二新卒のうちに転職したほうが良いのでは?と思いますが、どうして4年目が最適な時期なのでしょうか。
4年目にして物凄く会社を辞めたい
仕事が手付かずになるレベルで辞めたい
甘い蜜ならもう大分吸った気がするんで、もうそろそろいいかなと— 24卒 高学歴超有能くん😉✨ (@DANIEL_MJunkie) September 6, 2022
十分なキャリアを積んでいる
「石の上にも三年」という言葉があるように、日本では何事もとりあえず3年続けてみるのが良い、とする風潮があります。
実際に入社1年目は仕事について右も左も分からない状態ですが、3年目では少し余裕をもって仕事をしている人は多いでしょう。
そして、4年目になると、指導者として後輩を教育する立場になる人が増えていきます。
そのため、選考する企業側からは、即戦力として働いてもらえる可能性が高い人材と評価されます。
転職の際に採用してもらいやすい
3年以上勤務していたとしても、自分の魅力をうまく言語化して採用担当社にアピールする力が求められますが、前職を3年続けている実績があると「採用してもすぐには辞めないだろう」といった信頼感を得られやすくなります。
転職活動は単なる”仕事を変える”行為ではなく、自分のキャリアをデザインするための重要なステップであると考え、その準備を十分に行うべきだと考えます。
コミュニケーション能力が備わっている
採用面接では、経歴や資格の取得だけではなく、コミュニケーション能力の高さもポテンシャルを把握するうえで欠かせない要素として重視されます。
入社4年目の人は社会人としての経験があるため、新しい職場での人間関係の構築においてノウハウがあり、柔軟に対応していけると企業側は考えます。
企業にとって魅力的な年代
4年の勤務経験がある人は、企業としては育てやすく、かつ成長が期待できる人材と見られます。
高校または大学を卒業したばかりで、社会人経験が全くない人を採用すれば、当然ながら業務だけではなく社会人としてマナーなども学んでもらわなければいけません。
しかし、4年の社会人経験があればその点は必要ありません。仕事の内容が変わっても、取り組む姿勢などの基本的なものは変わらないので、結果として仕事を早く覚えてもらえます。
新卒とさほど変わらない若い年齢でありながら、ベテランの正社員のように固まった癖を持っておらず、状況に順応しやすい年代のため、積極的に雇用している企業も多いです。
5年以上勤めたら辞めにくくなる
入社4年目の会社辞めたい気持ちを乗り切り、5年目を迎えたとしましょう。
ここまでくると、仕事や人間関係などで不満があっても、「今まで続けてこれたのだから、この先も大丈夫だろう」と将来の展望が少なからず見えてきます。
また、仕事はすっかり慣れているので、今さら新しい仕事に移って1から覚えるのも面倒に感じてしまうでしょう。
つまり入社4年目の転職は、この先も今の職場で働き続けるか、それとも新しい道を選ぶのかの分岐点といえます。
後2回転職のチャンスがある
次の転職先が決まり、仮にそこも転職したくなったとしても、まだ20代のうちなので十分に転職のチャンスがあります。
大卒であれば入社4年目は26才でまだ20代。一般的に30代以降の転職は厳しいといわれているので、30才までを転職の条件にしても、ギリギリもう1回チャンスがあるのです。
入社3年未満の離職率の高さを見ても、4年目を迎えている自分は十分に頑張ってきたと自信をもってください。
入社4年目の離職率は高い
現代社会において、初めての正社員としての仕事を見つけた新入社員が、その会社で長く働くことは珍しいかもしれません。
特に入社から4年目に差し掛かると離職率が高いという統計データがあります。これはなぜでしょうか。
4年目を迎えずに辞める人材は全体の約4割
厚生労働省の調査では、入社3年以内の離職率は大卒で31.2%、高卒で39.6%。
つまり4年目を迎えずに会社を辞めている人が新卒全体の3~4割もいます。仮に営業の部署に新規で入社した人が10人いたら、4年目を迎えるまでに6~7人に減っているのです。
電気工事屋入ったら思ってたのと違うと思いはや3年
もっと現場に出ると思ってたら現場管理が主な業務…
もうすぐ4年目に入るって時に仕事が頭おかしいんじゃないのかって感じに増えた
部長もやばいし毎朝会社に行くって思うと胃が痛くて吐き気がすごい
本当に辞めたいって最近思い始めた— atsuki (@atsuki45368292) January 30, 2023
4年目を迎えても辞める人が一定数存在する
短期間に多くの人が辞めており、入社して仕事を3年以上続けるのは難易度が高いと分かりますが、入社4年目以降も安泰とはいえません。
むしろ現状は4年目にして辞めてしまう人が多いのです。
一度は退職を踏み止まったものの、一向に改善されない職場の問題などにストレスが溜まり、これ以上は無理だと自分自身の気持ちが明確に見えてくる時期だからです。
入社4年目で退職願望が出る人が多い理由
何故、入社4年目になると退職願望が出てくるのでしょうか。
4年目といえば、新卒入社の期間を経て、自分の仕事に責任をもち始める時期。
職場環境や企業文化にも慣れて、働き方についての自分なりの考え方ができあがってきます。
一方で、初めて抱く大きな責任感や、壁に当たることもあり、これらが一部の人々にとって退職を考えるきっかけとなっています。
大企業に入社したが、4年目にして自分がポンコツだと気づいて今物凄く会社を辞めたいと思ってる。
— なんなん (@hoka55956745) August 23, 2022
仕事が楽になることはない
入社4年目になれば、仕事に慣れて余裕ができ、少しくらいは楽に過ごせるのではないか。
そのような夢を思い描きながら、必死に働いている人は多いでしょう。
しかし、現実は違います。入社4年目は仕事で求められることが増え、責任も重くなり、プレッシャーが大きくなります。もちろんそれをスキルアップには必要だと捉えられる人なら良いでしょう。
ですが、実際はそうではありません。
多くの人は重圧に耐えきれなくなり、仕事できないほど追い詰められ、「疲れた」「自分には向いてない」「やる気が出ない」と悩み、仕事を辞めています。
転職が世間一般で当たり前になった
終身雇用制を敷いている日本では、新卒で入社した会社で出世、昇給し、定年を迎えて退職金をもらうのが美徳とされてきました。労働時間はいわば我慢の対価であり、心身を削って得るものが給料と考えられていましたが、今の時代は違います。
環境を変えたい、もっと待遇の会社に移りたいなど、現職を辞めて自分が希望する職種に転職をするのは甘えではありません。
男性、女性に限らず、転職はキャリアアップをするために必要な決断であると捉えられており、転職市場全体の求人も増加傾向です。
4年目で会社を辞めたいときに注意すべき点
不満を抱えたまま今の仕事を続けるくらいなら、4年目のタイミングで転職をすべきです。
しかし、4年目で会社を辞めるのはデメリットもあるので、以下の3つを十分に理解したうえで、後悔のない転職を実現しましょう。
周囲の目
会社を辞めるのは、一般的にはマイナスなイメージに受け取られます。
辞めるのが人気の大手企業であれば年収も高いので、親御さんはがっかりするかもしれません。友人からは「正気なの?」と呆れられるかもしれません。
また、会社の同僚の反応も気になるところでしょう。
ですが、これらは全て一時的なもの。
いずれ再就職すれば親御さんは安心しますし、友人はあなたを勤めている企業で選んだわけではありません。
そして同僚も、辞める人を気にしていない場合がほとんど。自分のやりたい仕事に就きたいなど理由が知られている状況であれば、「若いときにチャレンジしたほうがいいよ」など、前向きな言葉を送ってくれる人もいるでしょう。
人間関係がリセットされる
転職先では、一から職場の人と人間関係を築かなくてはいけません。
新しい仕事に慣れるだけではなく、新たに信頼関係を構築する時間が必要になります。
また、現職の人間関係が良好だと、特に重視しないで次の職場を探してしまう人もいますが、人間関係の悪さは転職理由のひとつでもあります
転職先の同僚や上司が最悪で、前職に戻りたいと思う可能性が0ではないと理解しておきましょう。
中途採用は厳しい
中途採用者に対し、新人研修のようなプログラムを組んで仕事を教えてくれる企業はほとんどありません。企業は即戦力として採用しているので、入社してすぐに求められるレベルも、新卒で入社したときとは全く違います。
ただし、その分、手当や収入は新卒よりも高くなりますし、仕事にやりがいも感じられるでしょう。
4年目で辞めたくなったら周囲に相談してみよう
4年目で会社を辞めたいと思ったとき、自分の人生だから最後は自分で決めるのが正しいです。しかし、周囲に経験者がいるのであれば、退職前に話を聞いておくことをおすすめします。
上司への退職の伝え方や、退職前や後に必要な手続きなど、経験者から情報を得ておいて損はないでしょう。
退職後の話を知り合いに聞いてみる
入社から3~4年目は、離職する人が出てくる勤続年数です。
同期入社の人が辞めたという話を耳にしたり、大学時代の友人が勤めていた会社を辞めているかもしれません。
そういった実際に辞めるという選択肢をとった人たちに、その後の話を聞いてみると良いでしょう。
退職の勇気をもらう
辞める意思は固くても、本当に辞めるとなると不安に思わない人はいません。
思いつめた様子で相談するのではなく、あくまでも背中を押してもらうために経験者に話しを聞いてもらうつもりで打ち明けてみましょう。
4年目で会社を辞めたいなら堂々と退職を切り出して良い
女性はこれまで、社風によっては結婚や出産を機に退職を迫られるケースがありましたが、今は自分で会社を辞める・辞めないの選択肢から選べる時代です。
たとえば、看護師として働いていて、残業が原因で病院を異動したいと思うのであれば、自分の目的に合わせたベストの働き方を求めて良いのです。
入社4年目は、1~3年の辛く大変な時期を乗り越えてきたからこそ見えた会社の本質に触れ、「本当にこの会社で仕事を続けるべきなのだろうか」と真剣に悩む時期。
つまりこのタイミングで悩むのは、既に会社や仕事に対して情熱が失われているともいえ、退職までの決断が早くなるのでしょう。
今はもう転職が悪いと思われる時代ではありません。
自分の夢や理想を叶えられる会社に応募をして、人生を切り開いていきましょう。