できるだけキレる人とは距離を置いて過ごしたいものですが、残念ながら人前で怒る人(上司・旦那・親・彼氏など)はどこでも存在します。
そこで今回は「職場」の人間関係をテーマに、下記の内容について解説します。
- なぜ人は人前で怒鳴り、相手の顔に泥を塗るようなことをするのか?
- そもそも、人前で怒る人はパワハラ行為に値するか?
- 効果的な対処法とは?
人前で怒る上司の心理
人前で怒る人は、子供の頃からケンカ慣れしている傾向があり、怒りの導火線が短いとも言えます。
ほかにも複数の理由がありますので、ここでは、人前で怒る人の心理状態をチェックしてみましょう。
恥をかかせて改善させたい
人前で注意する人は、相手に恥ずかしい思いをさせて行動を改善させようという目的があります。強いプレッシャーをかけた方が、ミスの再発防止につなげやすいと考えているからです。
威厳を保ちたい
プライドの高い人の中には、他人をけなすことで自分の権力・威厳を保とうとする人もいます。
しかし、言葉や力で自分より弱い立場の者を抑えつける人の心理状況としては、自分が傷つくのが怖かったり自信がない人の特徴でもあるのです。
ほかの社員にも注意させたい
例えば、会議に遅刻する人が複数いるような職場では、社員全体への忠告として周知させたいという想いから、遅刻した社員を人前で注意することがあります。
これはある意味、合理的なやり方とも言えますが、社員個人を否定する言動や吊し上げ行為は、違法なパワハラとなりますので気を付けるべきです。
社内の不満を解消したい
例えば、社員の士気が低下していたり、「和」が乱れているという社内への不満を正す方法が分からず苛立ち、部下を人前で注意するブラック上司もいます。
溜まったストレスや不満を発散させたいだけの、残念な上司と言えるでしょう。
教育方法が分からない
上司は、部下の指導・教育を行うことも仕事のひとつですが、教育方法を理解していないために平気で人前で怒ってしまう人もいます。
「自分たちもこうやって教育されてきた」という自身の体験から、似たような教育を部下に行うのはただの勉強不足です。
人前で怒ることに抵抗がない
特に昭和気質の上司は、人前で怒ること(怒られること)が当たり前だったために、抵抗がない人もいます。自分に抵抗がないことは、部下にもやって良いと考えているのです。
このような人は、相手のプライドやメンタルを傷付けるだけで、部下の成長を阻んでいることに気付いていません。
自分もパワハラされていた
パワハラ上司の中には、過去に自分も上司にやられた経験があるため、立場が変わって今の若者に同じことをやっている人もいます。
人間関係を良好に築くためには「自分がやられて嫌な事を他人にしてはいけない」、ということを知らないのでしょう。
人前で怒る上司への対処法
公衆の面前で怒られた本人にとっては公開処刑されたようなものですから、精神的なダメージの大きさは計り知れません。
もしあなたが人前で叱られ、ひどく恥をかかされたらどう対応しますか?
ここでは、効果的な対処法について確認していきましょう。
謝罪する
あなたがミスをしたり明らかな非がある場合は、素直に認めて誠意をもって謝罪しましょう。
相手の言い分に齟齬があると、つい言い返したくなるものですが、言い返せば相手の気持ちを逆撫でするだけです。
被害が拡大し、傍から見ればただの喧嘩と捉えられてしまうため、言い分があっても反発しないのが身のためです。
マネジメントを学ぶ
あなたが上司になったときに自分が加害者にならないためにも、マネジメントを学んでおく必要があります。
優秀な上司は「褒めるときは社員の前で、注意するときはこっそりと」を実践しているものです。
人前で怒る上司を反面教師とし、正しいマネジメント方法を学ぶ機会だと前向きに捉えましょう。
慰謝料請求
人前での不適切な注意は、民法709条の不法行為に該当するため、加害者に対して慰謝料を請求できます。慰謝料請求は損害の補償だけでなく、再発を防ぐために最も有効な手段と言えるでしょう。
さらに民法715条よると、不適切で過度な注意が業務の一貫として罷り通っている会社は、使用者に代わって事業を監督する者も追及できます。
否定されたと思わない
人前で怒らると「自分の人格が否定にされた」感じることがありますが、落ち込む必要はありません。相手が指摘しているのは、あくまでも仕事上のあなたの行動です。
あなたの人格を否定しているわけではないとはいえ、人前で怒られると「自分の存在価値は一体何なのか?」と考え凹むこともあるかもしれませんね。
あなたが思うより、周りの人は「あなた=できない人間」とは思っていませんので、怯える必要はありません。
相談先を見つける
人前で怒る上司への対応策として、第三者に相談してみるのも良いでしょう。
例えば、上司の上司や社内の相談窓口に相談するのも方法ですが、そこで解決できなければ以下のような外部の相談窓口をぜひ活用しましょう。
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相談先1法テラス法テラス地方事務所にて無料で案内
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相談先2総合労働相談(厚生労働省)専門の相談員が面談・電話で受付
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相談先3あかるい職場応援団(厚生労働省)いじめ・嫌がらせ問題の予防・解決に向けた情報提供のためのポータルサイト
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相談先4都道府県労働委員会・都道府県庁(中央労働委員会)個別労働関係紛争の斡旋を行う
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相談先5カスタマーハラスメント・就活ハラスメント悩み相談室(厚生労働省)メールまたはSNS(LINE)で受け付け(無料・24時間)
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相談先6みんなの人権110番(法務省)法務局職員、人権擁護委員が対応
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告発する
人前で労働者の尊厳を踏みにじられ、精神的な苦痛を与えられた場合は、相手を告発することも可能です。
もし告発後の仕返しが不安な場合は、転職活動しながら告発すると良いでしょう。自身の「逃げ道」を確保しておくことで、ダメージを最小限に抑えられます。
過去の事例として、わざと人前で怒る人に対して、被害者(人前で説教された人)がその証拠を残し、パワハラ認定された事例もありますが、反対に「別室」でミスを指摘されてもパワハラ行為とみなされなかったケースもあります。
どんな環境でミスを指摘されたかが、重要なポイントです。
人前でミスを指摘するのはパワハラの可能性大
周囲に人が多数いるような公衆の面前でミスを指摘されれば、誰でも恥ずかしい思いをし、ストレスを感じるものです。
その行為が、業務上必要な範囲を超える場合は、違法なパワハラと認定される可能性があります。
パワハラ認定のポイント
パワハラと認定される成否のポイントは以下の3つ。
- 人前で
- 度を超えた
- 精神的な攻撃
に該当するか否かです。
パワハラをした人が絶対的に不利になる
パワハラをしていることがバレれば上司の立場は危ぶまれ、さらに物理的に慰謝料を請求されるため、パワハラをした人は最終的に痛い目に遭うでしょう。
少し頭を使えば人前で指摘する上司に恥をかかせられる
上記は、人前で怒る上司のお礼状の文面を上司が書いたまま提出しけなされていますが、事実をみんなの前で公開したことで、上司に恥をかかせています。
このように、直接的な仕返しだけでなく少し頭を使った作戦を用いれば、みんなの前で上司をぎゃふんと言わせることも可能です。
このような事例は、冷静にならないと難しいものの、少し頭を使えば実行できる賢い作戦と言えます。
人前で怒る上司には少し捻った作戦を
人前で怒る上司にただ耐え続けるだけでは、パワハラがエスカレートしてしまう可能性があります。
不当な攻撃を受けないためには、少し捻った作戦をストックしておきましょう。
ブラック上司のタイプによって、有効な手段(作戦)は変わりますので、まずは相手の情報(心理状態)を分析する必要があります。
賢い作戦を使って、「良いことも悪いことも、自分が発した言動や行動は自分に返ってくる」ということを、相手に思い知らせてやりましょう。